「やっと、好きになれるかもしれない」
2回目のデートの途中で、私は少しそう思っていた。
そしてその日の帰り際、「また会いましょう」と伝えた私に、彼は笑って言った。
「またこちらから連絡しますね」
その連絡は来なかった。
ペアーズで出会った弁護士

相手は2つ年上の弁護士。見た目は普通。
特別タイプというわけでもなかった。
メッセージをしていて一つだけ気になることがあった。
なぜか、「うちは代々、文系の家系なので」という話が何度も出てくる。
代々、文系。
何のアピールなのかは分からない。
少し気になったけれど、それ以外は普通だったので会うことにした。
1回目は、普通に良かった
実際に会ってみると、拍子抜けするくらい普通だった。
気遣いもできる。話しやすい。
例の「代々文系」も出てこない。安心した。
この時点ではまだ恋愛感情まではなかったけれど、「もう一回会ってみたいな」とは思った。
婚活では、この「もう一回会ってみたい」が意外と貴重である。
2回目で、ちょっと好きになりかけた
2回目は少し遠出した。道案内もしてくれた。
お土産屋さんでは、「これ似合いそうですね」と勧めてくれた。
別に大したことではない。でも、こういう何気ない気遣いに私は結構弱い。
少しずつ、「あ、この人なら好きになれるかもしれない」と思い始めていた。
そして、そのタイミングで結婚の話になった。
彼は、「すぐにでも結婚したい」「海外に行く可能性があるから、ついてきてほしい」と言った。
かなり具体的だった。
私は、ついていけなかった

私は専門医を取るまで、あと数年は今の環境を動きにくかった。
自分自身も、今後遠方へ行く予定があった。
なので、そのまま伝えた。
「今すぐ海外についていくのは難しいと思います」
彼は普通に聞いていた。ケンカにもならなかった。
でも、なんとなく少し空気が変わった。
そして帰り際、私は、「今日は楽しかったです。また会いましょう」と言った。
返ってきたのが、「またこちらから連絡しますね」だった。
あ、これは来ないやつかもしれない。と思った。
本当に来なかった。
何がダメだったのかは、今も分からない
仕事の話が原因だったのかもしれない。他にいい人がいたのかもしれない。
そもそも私のことを、そこまでいいと思っていなかったのかもしれない。
分からない。本人に聞いていないので、答えはない。
ただ一つ分かるのは、私はちょうどその頃、この人を少し好きになり始めていた。
だから、普通にへこんだ。
最初から全然興味のない相手なら、ここまで引きずらなかったと思う。
「やっと好きになれそう」と思ったところで終わった。
せめて、もう少し早く消えてほしかった。
そんな出会いだった。
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