職場紹介で出会った男性|200円割り勘とお花見(婚活体験談)

「この人、本当にいい人だから絶対合うと思う」

職場の先輩から、そう言って男性を紹介された。

内科医、真面目、身元もしっかりしている。かなり安心感のある紹介だった。※前回も似たような紹介で外している。

それでも私は思った。今回は違うかもしれない。

人は何度でも同じことを思う。

LINEは、かなり事務的だった

先輩経由でLINEを交換した。

「よろしくお願いします」「いつ空いてますか?」必要事項だけが淡々と流れてくる。

無駄がない。仕事なら非常に助かる。婚活としては、少し不安である。

お店を決める流れになった。

彼が、「調べるよ」と言った。私は、「ありがとう、私も見てみる」と返した。

そして気づいたら、私が予約していた。調べるとは。

まだ会っていないのに、早くも小さな謎が一つ生まれた。

初対面は、普通だった

当日、イケメンではない。でも雰囲気は嫌いではなかった。全然なしではない。

よかった。紹介した先輩の顔も立つ。そう思った。

問題は、会話だった。

私が話題を振る、相手が答える、終わる。

また私が話題を振る、相手が答える、終わる。

会話が一向に育たない。

私が種をまく、芽が出る、すぐ枯れる。また種をまく。ずっとこれである。

しばらくすると、普通に沈黙した。

私は、「次、何話そう」と考えていた。彼は特に困っていなさそうだった。

強い。沈黙耐性が高い。私は弱い。この組み合わせは良くない。

それでも私は、「外を歩けばもう少し変わるかもしれない」と思った。

なぜそう思ったのかは分からない。場所を変えれば会話も育つと思ったらしい。

私は自分から、「今度お花見行きませんか?」と誘った。

お花見も、だいたい私が用意した

お花見当日、私は前日にレジャーシートを買った。

当日持って行った。軽くご飯を食べて、公園へ向かう。

途中に有料エリアがあった。入場料は200円。

彼が払う。私も払う。200円ずつ。たった200円である。缶コーヒーより少し高いくらい。

別に払える。全然払える。なのに、なぜか私の心をえぐった。

しかしまだデートは始まったばかり。気を取り直してお花見会場へ向かった。

桜を見ながら、また私が話した

桜はきれいだった。天気も悪くない。お花見日和である。

私が話す。「うん」「そうなんや」「へえ」終わる。また話す。終わる。

場所を変えても、会話は育たなかった。植物ではなかったらしい。かなり壁打ちだった。

途中でレジャーシートを広げた。彼は少し嬉しそうだった。

たぶん、「準備してくれてたんだ」と思ってくれたのだと思う。

私も一瞬、「喜んでくれてよかった」と思った。

でも次の瞬間、いや、私だって持ってきてもらう側が好きなんだが、と思った。

お花見に誘ったのも私。会話を回しているのも私。レジャーシートを買ったのも私。持ってきたのも私。デートを進行しているのも私。

私はこのデートの主催者なのだろうか。参加者は二人いるはずなのに、運営が一人しかいない。

少しずつ疲れてきた。

大道芸は、そのまま通り過ぎた

途中で大道芸をやっていた。足を止めて見た。普通に面白かった。

終わったあと、募金箱が回ってきた。私は財布を出そうか少し迷った。

彼はそのまま歩いて行った。私はついて行った。

終わった。なぜか悲しかった。

別に彼が募金する義務はない。私がしたければ、私がすればいい。完全にその通りである。

なのに悲しかった。

婚活では、理屈では説明できない小さな悲しみが発生する。私の場合、その日の一つが大道芸だった。

「もう一周しよっか」

公園を一周した。もう会話はかなり少なくなっていた。

私は、「そろそろ帰れるな」と思っていた。

すると彼が言った。「もう一周しよっか」

え。もう一周?

私は公園を見た。さっき見た。かなり見た。桜も見た。大道芸も見た。

会話は続いていない。何を求めて二周目へ行くのだ。

一周目で見つからなかった何かが、二周目には落ちているのだろうか。

私は、「今日はこのへんで」と伝えた。

延長戦は断った。

その後

帰り際、「またご飯行きましょう」と言われた。

私は、「また予定分かったら連絡しますね」と返した。

数日後、本当に連絡が来た。「またご飯行きませんか?いつ空いてますか?」

彼の中では、デートは普通に成功していたらしい。私は少し驚いた。

同じ場所にいても、感じていることはこんなに違う。

「当直とかで忙しくて、しばらく難しそうです」と返した。

そのまま終わった。別に悪い人ではなかった。本当にそう思う。

たぶん先輩が言っていた「いい人」も嘘ではなかった。

ただ私は、予約して、話題を振って、お花見に誘って、レジャーシートを持って、200円を払い、大道芸の横を通り過ぎ、もう一周を断った。

帰る頃には普通に疲れていた。

いい人だった。でも、もう会う気にはなれなかった。

この頃は、職場や友人経由の紹介で出会うことも何度かあった。

>>職場や友人の紹介の体験談

紹介だけではなかなかうまくいかず、その後はペアーズも使った。

>>ペアーズ体験談一覧

さらにその後、結婚相談所にも進んだ。出会い方を変えれば何とかなると思っていた。まだそう思っていた。

>>結婚相談所体験談一覧

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