「ガードが硬すぎる女は嫌いだよ」
付き合って数週間。彼から届いたLINEを見て、私はしばらく画面を見た。
あ。そういうことだったのか。
今まで引っかかっていたものが、かなりきれいにつながった。
問題は、その違和感。私は最初からちゃんと気づいていたことである。
プロフィールは、かなり良かった

相手は5歳上の勤務医。高身長。写真もかっこいい。学歴もかなり良かった。
私は昔から頭のいい人に弱い。かなり弱い。
プロフィールを見た時点で、「いいかも」と思った。そしてマッチした。
ただ、メッセージを始めてすぐ少し引っかかった。2通目くらいから、もうタメ口だった。
早い。
さらに、「LINEにしよ」と送られてきた名前は、イニシャル一文字みたいなものだった。
私は思った。
「ちょっとチャラいか?」
ちゃんと気づいている。ここでは。
電話したら、めちゃくちゃ面白かった
少し怪しかったので、会う前に電話をすることにした。
これで違和感があればやめよう。そう思っていた。
1時間くらい話した。めちゃくちゃ楽しかった。
頭の回転が速い。話題も豊富。こちらが何か言うと、ちょうどいい返しが来る。
とにかく会話がうまい。
私は電話を切る頃には、「別にチャラいんじゃなくて、距離感が近いタイプなだけかも」と思っていた。
判断が早い。
さっきまで警戒していたのに、楽しかったので全部よく見えた。
実際に会ったら、写真とかなり違った
初デート。待ち合わせ場所で声をかけられた。
振り返った。一瞬分からなかった。
「あれ?」
写真とかなり違う。
写真の方が、だいぶ良かった。どう撮ったらあの感じになったんだろう。ちょっと気になった。
でも、話し始めるとやっぱり面白い。店もちゃんと選んでくれている。会話も止まらない。
こちらを楽しませるのがうまい。
しばらくすると、写真と違ったことはどうでもよくなっていた。
私はまた上書きした。
2回目はベンツで迎えに来た

2回目のデート。彼は車で迎えに来た。ベンツだった。
海の見えるスタバへ行った。夜になった。たまたま花火まで見えた。
かなり出来すぎていた。
私は普通に楽しかった。
帰り道、人気の少ないところで手をつながれた。
ちょっと早い気もした。でも嫌ではなかった。むしろドキドキした。
私は一応聞いた。
「もしかして、結構チャラい?」
すると彼は、「俺がチャラそうに見える?」と返した。
見える。かなり見える。
ただ、この時の私はその回答を、「違うよ」くらいの意味で受け取った。
人は信じたいものを信じる。
そして付き合った
何度か会って、付き合うことになった。
私は普通にうれしかった。
やっと彼氏ができた。話も合う。仕事もちゃんとしている。楽しい。
これでアプリ卒業かもしれない。と思った。
ところが、付き合った途端、連絡が減った。かなり減った。
それまではあんなに話していたのに、LINEはスタンプ一個。自分の写真。
以上。
こちらが何か話しても、あまり広がらない。
「あれ?」と思った。
会う前の方が、私に興味あった気がする。
自宅に誘われるようになった
付き合って少ししてから、彼が家に来るよう誘ってきた。
私はまだ嫌だった。なので断った。
すると、「ガードが硬すぎる女は嫌いだよ」と返ってきた。
私はその文章を見て、かなり冷めた。
ここまで来てようやく、「やっぱり最初に感じた違和感、そのままやったんや」と思った。
タメ口が早かったこと。距離の詰め方が早かったこと。手をつなぐのも早かったこと。付き合ったら急に連絡が減ったこと。
全部思い出した。
私はその都度、「まあ、こういう人なんかな」で処理していた。
別れたら、長文が来た
結局、別れることにした。
すると彼から長文が来た。
その中に、「俺なりにかなり待った方だと思う」「だいぶ丁寧にしたつもりだった」というようなことが書いてあった。
私はそこを読んで、「ああ、そういう認識だったんだ」と思った。
私は普通に付き合っているつもりだった。
彼の中では、「待っている期間」だったらしい。
かなり違った。
一番嫌だったのは、自分が全部見逃していたこと
別れたこと自体より、「私、最初から気づいてたやん」という方が結構きつかった。
2通目からタメ口。謎のLINEの名前。距離の詰め方。
全部、「ん?」とは思っていた。
でも、医師。高学歴。話が面白い。デートも楽しい。ベンツ。海。花火。
いろいろ乗ってくると、「まあいいか」になった。
かなり分かりやすい。
私は騙されたというより、自分からかなり積極的に違和感を見ないことにしていた。
このあと、結婚相談所を調べ始めた
この人と終わったあと、私はかなり疲れた。
またアプリに戻って、プロフィールを見る。メッセージする。会う。
この人は本当に付き合う気あるのかな。結婚する気あるのかな。
また全部、自分で判断する。それが急にしんどくなった。
そして初めて、「最初から結婚する気がある人しかいない場所ってないのかな」と思った。
そこで出てきたのが、結婚相談所だった。
この時の私は、相談所に行けばこういうことはもう起きないと思っていた。
それもまた、少し早かった。
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