「この人、身長伸びてない?」
ペアーズを見ながら、私は思った。
気のせいかと思った。でも数日後、また伸びていた。
人は成人してからも伸びることがある。たぶん。
でも、そんな頻度ではないと思う。
最初は、かなり良さそうだった
ペアーズを始めてすぐ、30代前半の外科医からいいねが来た。
写真は少し地味。でも真面目そう。
やり取りを始めてみると、かなりちゃんとしていた。
文章は丁寧。美術や世界遺産の話もする。誘い方も自然。ガツガツしていない。
私は普通に、「この人いいかも」と思った。
当時の私は、医師で、頭が良くて、ちゃんとしていそうな人に非常に弱かった。
かなり条件通りである。
プロフィールが少しずつ変わっていく

ある日、何となくプロフィールを見た。
身長が変わっていた。1cm伸びている。
「あれ?」と思った。
数日後、また見た。また少し変わっていた。
体型も「普通」から「スリム」になっている。会いたいタイミングも変わっている。
プロフィールが育っていた。
別に、プロフィールを直すこと自体は普通である。私だって直す。
でも、なぜか身長だけは妙に気になった。
身長って更新する項目なんや。そう思った。
1回目のデートはかなり良かった
初デートは中華ランチだった。
実際に会ってみると、写真より印象が良かった。店選びもちゃんとしている。
水を注いでくれる。箸も渡してくれる。会計も全部出してくれた。
話を聞くと、難関大学出身で大学院にも在籍している。
かなり優秀だった。
「普通にいい人やん」と思った。
プロフィールの身長なんてどうでもいいのかもしれない。
4cmくらい。誤差である。
私はその4cmを忘れることにした。
そして2回目も会うことにした。
2回目、なぜか小さく見えた
1週間後、今度はイタリアン。店の前で会った。
「あれ」と思った。前より小さく見える。
もちろん、実際に小さくなったわけではない。
たぶん。靴が違ったのかもしれない。私の靴が違ったのかもしれない。立つ場所の問題かもしれない。記憶違いかもしれない。理由はいくらでもある。
なのに私の頭は、プロフィールの身長を思い出した。
忘れることにしたはずの4cmが帰ってきた。一度帰ってくると、もう強い。
私は勝手に、「もしかして身長、かなり気にしてるのかな」と思った。
本当のところは分からない。本人に聞いたわけでもない。
ただ、私の中で身長という項目の存在感だけが、どんどん大きくなっていた。
そういえば、大学も入り直していた
さらに話していると、彼は一度医学部に入ったあと、別の大学に入り直していたことも分かった。
もっと上を目指したかったらしい。普通にすごい。
医学部に一回入るだけでも大変なのに、もう一回やっている。
努力家である。向上心もある。本来なら、かなりプラスの話だと思う。
でも、この頃の私の頭はもう少しおかしくなっていた。
プロフィールの身長、体型、写真、大学。全部が勝手につながり始めた。
「この人、かなり自分を良く見せたい人なのかもしれない」と思った。
完全に私の解釈である。
身長を4cm変えた人と、大学に入り直した人が、同じ理由で動いている保証などどこにもない。
でも私の頭の中では、点と点がつながった。
一度つながった線は、なかなか消えない。
条件はかなり良かった
外科医、高学歴、大学院、話も知的。気遣いもできる、会計もスマート。
普通にかなり良い人だった。
だから余計に、「なんで私はこんなところで引っかかってるんだろう」と思った。
嫌なことをされたわけではない。失礼なことを言われたわけでもない。
ただ私は、プロフィールの身長が1cmずつ動くのを見てしまった。
そして一度気になった。それだけである。
それだけなのに戻れなかった。結局、3回目は会わなかった。
今でも一番覚えているのは、彼が外科医だったことでも、難関大学出身だったことでも、大学院に行っていたことでもない。
プロフィールの身長が、なぜか少しずつ伸びていたことである。
このあとも、ペアーズでは何人かと会った。他にどんな人と会ったのかは、こちらにまとめています。
結局、初めてのペアーズで彼氏はできなかった。何人とマッチして、何人と会ったのかなど、最終的な結果はこちら。
その後もなんだかんだでペアーズは何度も使った。6回ほど利用して分かったことや、実際に感じたメリット・デメリットはこちらにまとめています。

