「脈がありすぎるのも、普通にしんどい」
今回は、逃げ場のない場所。職場での話である。
相手は、一個上の先輩医師。
入職早々、なぜか観察されていた

入職して間もない頃から、妙なことが増えた。
私を見かけた話を、わざわざ他の人にする。私の情報を周囲から聞き出す。「今日こんなミスしてたよ」みたいなことまで共有してくる。
何なんだろう。
観察日記?中学生?
しかも、そのわりに仕事は手伝ってくれない。普通に「これお願い」と仕事は置いていく。
私のことは見る。助けはしない。見るだけ。
かなり独特な応援スタイルである。
さらに本人は、「俺ってヒモ体質なんだよね」「今まで彼女が全部奢ってくれてた」「俺、可愛がりたくなるタイプらしい」などと言っていた。
知らんがな。情報だけはよく入ってくる。
なぜか「俺の方が好かれて困ってる」ことになっていた
私は別に好意を出していなかった。でも周りからは、「いいじゃん」「ありじゃない?」と言われる。
私は毎回、「ちょっとタイプじゃなくて……」と答えていた。このやり取りが地味にしんどかった。
ある日ついに、「私の話を周りにするの、やめてください」と本人に言った。
すると、「ひどい……なんで……」と半泣きになった。
泣きたいのはこっちである。
距離感だけが異様に近い

一番困ったのは、好意より距離感だった。
ある日、「カレー作りすぎたから持って行っていい?」と言われた。
怖い。秒で断った。
またある日は、朝が早い日に、「お互いモーニングコールしない?」と言われた。
私は「お母さんにお願いしてください」と返した。
すると、「そうするわ」と即レスが来た。
そこはちょっと面白かった。素直。
ちなみに、私の誕生日に何かもらったことは一度もない。仕事を特別助けてもらったこともない。私が困っている時に気を回してくれた記憶もない。
でも、カレーは来る。モーニングコールは提案される。噂話は広がる。
距離感だけが近い。何なんだろう。
最終的に「俺はファンなだけ」
そしてある日、本人から、「俺はファンなだけやから、付き合おうとは思ってない」と言われた。
じゃあ何?本当に。
ファンって、そんなに職場で本人の情報を集めて、カレーを持って行こうとするものなのだろうか。
しかも付き合おうとは思っていないらしい。ますます分からない。
本人の中では何か整合性が取れていたのかもしれない。私には最後まで分からなかった。
その後、普通に彼女ができた
その後、彼には普通に彼女ができた。
ただ、その彼女について「中の下」「妥協して付き合ってる」などと言っていて、周りから普通に注意されていた。
そりゃそうである。
そして、その彼女に振られた。かなり落ち込んでいた。
私は少し思った。妥協してたんじゃなかったっけ。
その後、大学時代の元カノと復縁したらしいと先輩から聞いた。
人生いろいろである。
好意と、大切にしてくれることは別だった
この人のことを思い出すと、「好かれているっぽい」と「大切にされている」は全然違うと思う。
距離が近い。よく見てくる。よく話題に出す。ぐいぐい来る。
それだけなら、好意っぽく見える。
でも、仕事は助けない。こちらの気持ちはあまり見ない。嫌だと言うと傷つく。周りには勝手に話す。
それなら、私は別に嬉しくない。
好かれているかどうかより、どう扱われているか。今ならそっちを見る。
当時はかなり困ったけれど、今振り返ると婚活で相手を見る時の材料にはなった。
ぐいぐい来る人が、なぜ優しい人を選びやすいのかについてはこちら。
その後、職場での自然な出会いにはあまり期待しなくなった。そして私は、ペアーズを始める。
そこから、かなりいろんな人に会うことになる。本当にいろいろいた。
そして最終的に、ペアーズは6回使った。懲りない。

